採用する時から少し気にはなっていたが、知的に少し劣っているが知的障がいとまでは言えない、いわゆるグレーゾーンの子を採用した。
天真爛漫だが、漢字が書けない計算ができない。肉体労働が好き、知的労働はできない、覚えても忘れる。そんな奴を採用してしまった。どうやって辞めさすか。
会社として辞めさせるに値する基準が設けられているかが大切、合理的な理由がない限り解雇無効の裁判になる可能性がある。
まあでも相手は何もわからない少年だから裁判沙汰にまではならないだろう。会社としても育てたいという気持ちもあるようだから。それにしてもそのような人間を採用してしまった時、会社はどうするべきか。
まず1つは本人に、やらなければならないこと、これをはっきりと伝えることだ。仕事は仕事、甘えは許されない。漢字が書けないからひらがなで済まそうというのは甘えに過ぎない。
そしてそのやらなければならないことに対して客観的な評価規準、絶対評価での規準を設けることだ。それをクリアしていなければ降格、低査定もありうるとのことを伝えた上でやらせる。
そして評価段階できっちり本人に伝える。
2つ目は、本人の能力に気づくことだ、会社の目指す方向、本人の目指す方向、その2つの共有ゾーンを発見する。コーチング的な関わりによってそれが可能となる。本人と会社の共有ゾーンを発見できたら、その方向を強めるために今本人ができるスモールステップを探す。それにより向上心へのモチベーションが高まる。
本人の力は五感のどの部分で強く発揮されるのか、見極める。NLPなんかをやっていると、VAKのどの感覚が優位かを判断することができる。それを見極めたら本人の優位感覚に即した学習法を提案し本人に実践させる。
あとはその能力に会社が気づいて、伸ばしてやろうという気持ちがあるかないかだ。幸いこの会社は、ある。
3つ目、その子がいることで誰が困っているか。本人が困っていないというケースが多いにある。困っている人を助けるということが大切だ。人事の人が困っているのか、本人が困っているのか、周りの人誤差が困っているのか、そこを見極める。そして、困っている人に寄り添う。勇気を与える。
4つ目 本人の特性を本人が理解し、自分の取説をつくる。障害まで至らなくても仕事のしづらさを感じる場面が多々ある。その時にどう対処するか、どう対処してほしいかを自分で書かせる。あるいは聴きながら整理してやる。そうすると、互いにどの場面で補い合えばいいかわかるようになる。
5つ目 横の関係で仕事をする。縦関係上下関係になりがちな会社の役割を変える。一番難しいことだが、本人の主体性を引き出し仕事にもポジティブになる。
書き連ねたけれどまだまだやれることはある。そのようなポンコツを雇ってしまったと嘆いている会社の方は諦めないで取り組んでみて、ダメなら正当な合理的な手続きで降格、低査定をして、場合によっては首を切りましょう。