ある晴れた日の午後のこと、私は公園のベンチに座っていました。
木々の間から差し込む柔らかな日差しに包まれながら、ゆっくりとしたひと時を過ごしていたのです。
そこへ、小さな緑色のカエルがホップホップと飛び跳ねてきました。
私の足元近くに止まり、まるで私を見つめるように動きを止めました。
その瞳は澄んでいて、どこか知的な印象すら感じられました。
私は思わずカエルに話しかけてしまいました。
「こんにちは、小さな友よ。どこからきたのかな?」
するとカエルは、まるで私の言葉を理解したかのように、ゆっくりと頷いたような仕草をみせてくれたのです。
私は不思議な気持ちになりました。
この小さな生き物が、私とコミュニケーションを取ろうとしているのかもしれません。
そのとき、公園の向こうから、一匹の猫が歩いてきました。
黒い毛並みがきれいな、優雅な佇まいの猫です。
カエルを見つけると、じっと見つめ始めました。カエルも猫を警戒するように、身構えているようでした。
「大丈夫よ、小さな友達。あの猫は危害を加えるつもりはないと思うよ」
私は優しく語りかけました。
するとカエルは、また頷くような仕草を見せてくれたのです。
不思議なことに、私はカエルの気持ちが少しわかるような気がしました。
そのとき、近くのカフェから、ショートケーキの甘い香りが漂ってきました。
思わず立ち上がり、ケーキを買いに行くことにしました。
カエルと猫を置いて行くのは心配でしたが、すぐに戻ってくるつもりでした。
ケーキを手に公園に戻ると、なんと猫とカエルが仲良く並んで座っているではありませんか。
二匹は私を見つけると、まるで私を待っていたかのように近づいてきました。
「あら、仲良くなったのね。良かった」
私は嬉しくなりながら、ケーキを三つに分けて、それぞれに与えました。
猫はゆっくりとケーキを味わい、カエルはケーキをパクパクと食べていきます。まるで、三人で楽しむティータイムのようでした。
不思議なことに、私はこの出会いを通して、カエルと猫、そして自分自身のことについて、少しずつ理解が深まっていくのを感じていました。
生き物たちの持つ個性や、それぞれの生き方の違いを受け入れ、共に楽しむことの大切さ。
そして、自分の中にも、まだ発見されていない可能性が眠っているのかもしれません。
ケーキを食べ終わると、猫とカエルはそれぞれ別の方向へ去っていきました。
私は、この出会いに感謝しながら、しばらくベンチに座って、心地よい風を感じていました。
ふと、私は自分の中にある、もうひとつの自分に気づきました。いつもは見えていなかった、別の視点や感性が、少しずつ開かれていくのを感じたのです。
この出会いが、私の人生にどのような影響を与えていくのか、今は想像もつきません。
でも、これからの私の人生に、きっと何かしらの変化をもたらすのではないかと、
期待に胸が膨らむのを感じずにはいられませんでした。