感想を言い合ったりする場面があります
そこで評価する人が
「AさんはクライアントのBさんに寄り添えて共感できていたと思います」
という感想を言ったりしていると
ちょっと待って!
と言いたくなります
なんども申し上げているように
共感している、なんていう状態は
誰にもわからないから!
共感しようとしているセラピストに対して
クライアントは
「カウンセラーのこの人は私に共感してくれようとしている」という思いを抱き
クライアントのその思いを
セラピストが感じ取る。
その終わりのない相互作用の過程が共感、ラポールを築くという運動なんでしょう。
そして、ラポールを築いている過程において、クライアントは自身の内面を、共感しているセラピストに投影させる。
そうすることにより、クライアントからクライアントの内面が引き剥がされる。
そして、クライアントは、自身で鏡を見るように、じぶん=セラピストを俯瞰してみる。
すると、こんな風に自分は感じていたんだ、という気づきを得ることができ、その瞬間にセラピーが行われるのである。
では、ラポールが築かれている状態
を定義するための客観的な基準はあるか
これはやはりないと言わないといけない。
人それぞれなんだから。
でも、一般的に言って
お互いに理解しあおうとしている、その波長がお互いを包んで、対話が深い深いところまでいっている時というのは
クライアント側から
あー、そうかー
そうだよなー
とか、そういう声や息づかいが感じられているものです。
心理学的な意味での共感をしてくれているんだとクライアントが感じている瞬間ではなかろうかと思います。
でも、その状態がゴールではなく、そこからさらにその人の底知れぬ内面に深く深く入ることになるのだから、終わりのない共感の過程なんだということを改めて理解しておく必要があります。
我々コーチもカウンセリングレベルまでの共感をすべきなのだとおもいますが
初期段階はあるあるわかるわかるの同調共感
中期段階は、あたかもあなたの目で見ているように見たいなというこちらの意志を相手に示すという共感的まなざし、ふるまい
そして、終了段階には共感しようとするこちらの意図を受け入れ、こちらにクライアントの内面技投影された状態をクライアントに俯瞰させ、その状態がどうなったらいいのか、気づいてもらう。
こんな共感ができれば、もうそれだけで、カウンセリング、コーチング終了です。
あとはクライアント本人で自然治癒します。
これが、私の経験上の共感セラピーです。
ご参考まで。
これは斎藤一人さんのお弟子さんが建てた観音です。