ラグビーの興奮で夜寝付けなかったからだ。
ラジオでも聴こうと思いラジコでイヤホンをつけて寝ていた。
その時間帯になると、アナウンサーが文芸作品を朗読するコーナーが始まった。
太宰治の、日の出前、といふ小説をらうどくしていた。
この、日の出前といふ短編小説であるが、何ともまあ、太宰治的な後味の悪さをしっかりと出していました。
あらすじはもうしませんが、男の、体たらくなことと、それに巻き込まれる周りの人の苦しさ。最後の女のセリフ、これが、当時の文学史上例を見ないセリフだったのだろうが、今となっては平凡な終わり方なのだが、当時の、読み手はみな戦慄を覚えたのだろう。
そんな後味の悪いものをね、何でこの日曜と月曜の狭間の、人間として一番嫌であろう月曜になるこの時間帯に聞かされなくてはならないのだろうかと。
もうちょっといい感じのハートフルな、来るべき月曜日の憂鬱に負けないような元気の出るような、そんな本を朗読してくれと言いたい。