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サラリーマン球団社長 清武英利を読む

新書じゃないけど本の紹介。

 

プロ野球球団の経営者を描いたノンフィクションを読む

短い期間の文春の連載だったはずが予想外に好評だったらしいです。

サラリーマン球団社長 (文春e-book)

サラリーマン球団社長 (文春e-book)

  • 作者:清武 英利
  • 発売日: 2020/08/26
  • メディア: Kindle版
 

 野球に関しては素人同然だった人たちを書いています。

サラリーマン社長という言葉がありますが、

社員から社長となった人たち

別名、雇われ社長・生え抜きと良くも悪くも呼ばれたりしますが

人事異動でたまたま経営者になっちゃった二人を描いています。

 そういう話はこの映画も有名。

マネーボール (字幕版)

マネーボール (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

主役はこの二人

広島の鈴木清明と阪神の野崎勝義

野球の素人が球団経営にかかわるってことがどういうことなのか

 

彼らが何をしようとしたのか

 

著者について

社会部畑を回っていてサツ回りマルサ回りを転々をする

東京本社社会部次長の時に

山一證券の破綻をスクープしてる敏腕記者。

54歳に東京本社の運動部長になり

その8月に巨人の球団代表に就任しちゃうことになる。

ナベツネともめた「清武の乱」みたいなこともありました。

清武は生え抜きの選手の育成を試みて成功させた。

その時に清武に助言したのが今回の主役の一人

広島の鈴木清明であった

 

阪神の野崎の試練

西宮市の生まれの野崎は野球と無縁だった。

大学は神戸市立外大を卒業後阪神電鉄に入社、旅行代理店業務を31年続けていた。

1996年阪神電鉄の人事から突然「来月ヵらタイガースの常務」と言われ

玉突き人事異動になる。

 

当時のタイガースは最下位争いの常連。

 

しかし阪神電鉄は大阪神戸のドル箱路線を持つ強力な会社

その子会社が阪神タイガース。

親会社から子会社への出向という人事異動だ。

 

阪神はご存じのように弱小だがファンがいるんだから基本、別に何もせずとも

このままでいい

何もしなくてもいいという感じ。

 

ただ経営者はたたかれ放題。

自殺する経営者もいるくらい。

 

そんなところに野崎が異動。

即日退職願を書いた野崎。

 

でも野球に関する本を手あたり次第呼んだ野崎。

その分析結果、タイガースの経営がいかに時代遅れだったかを痛感。

 

2か月後、野崎がやったことはチケット販売のコンピュータ化。

旅行部上がりの野崎らしい考え。

これには手売りしていた人の雇用を奪うとして抵抗にあう。

 

さらなる試練

 

当時の最下位の藤田監督。

阪神電鉄の役員が藤田に監督の更迭を告げるが藤田は応じない。

監督就任要請をしたときは何年でもいい永久にやってくれと言われたんだから俺辞めないよというわけ。

 

野崎は藤田監督の罵声にひたすら耐えながら、ようやく吉田義男監督に交代。

 

そして野村克也監督に交代、上り調子のなかサッチー問題で監督辞任。

 

そんな中で野崎がサラリーマン球団社長を命じられることになる。

 

社長野崎の変革と抵抗その先は

 

アメリカのベースボールオペレーションシステム、メジャー型の球団運営方式。

 

その最たるものはスカウトの方法

それまではベテランのスカウト面の経験と直感でやっていた。

そうすると声のでかい人間が会議でものを言わせる。

野崎はこれを変えた。

 

アマチュア選手の細かい能力を分析分類してそれを数値化して評価する。

コンピュータでデータベース化する。

 

そうすると思わぬ人材を安い契約金で手に入れることができる。

今だと当たり前のこの方法もいざ導入すると、悪戦苦闘することになる

 

この後どんな困難が待ち受けているのか、お読みください。

 

野球の知らない私でも面白かったです。