北海道の方言では
〜しささる
と言う言葉遣いがあります。
例文
バスのボタンがおささってしまった。
このおかずあればご飯なんぼでも食べらさるね。
意味としては
わたしのせいじゃないんだけどあることが生じてしまった、と言う意味ですね。
でも、上の例文でバスのボタンを押しているのは疑いもなく自分なんですね。
でも、何らかの不可抗力的な力が自分の手に働いてボタンを押してしまった。
そういう状況をいわば自分でない誰か、自分ではない何か、のせいにして、その行為責任から逃れようとする意味ですね。
ご飯が食べらさるね
というのは
わたしはこんなに自制心があり
腹八分で収められるはずなのに
こんなにうまいおかずがあるために
思わず満腹食べてしまう
という意味でしょうね。
この場合は、おかずを最大級に褒めちぎるためにあえて不可抗力に抗えない自分を低く表現して、おかずにマウントを取らせる。謙譲語というんでしょうかね。
非常に便利なことばなんですが
これを標準語で話す人はその状況を
どうやって一言で表現するんでしょうね?
道民であれば
食べらさるね〜の一言で済む褒め言葉を
いやがおうにも食べてしまう、とか
食べ過ぎ注意!とかになってしまうのかな
ちょっとそれではつまらないですよね
道民以外の人にも是非使ってもらいたい
〜しささる
文字が書かさる
お金が払わさる
ひとことで済むこの言葉が持つ
意味の豊かさを味わってください。