七帝柔道記を読む
これは男なら必読だろう。
最下位の北大柔道部に入り過酷な練習を続ける主人公たち。
苦しいなら辞めればいいのに、辞める自由はあるのに、やめないで続けること
なんで大学生になってまでそこまでするのか
しかも最下位。
めちゃくちゃ過酷な練習をしてゴリラのような体つきになって強くなって
普通の人から見たらめちゃくちゃ強い人なはずなのに、道内の私大にすら勝てない。
ましてや全国レベルになんて足元にも及ばない。
それでも楽しそうに大学生ライフをエンジョイしてる人たちを横目にひたすら練習に励む、それでも勝てないのに。
先輩たちがつくりあげた栄光と伝統を受け継ぐために、戦い続ける。
そんな熱いことが母校の端っこで繰り広げられていたなんて全く知らなかった。
自分は部活なんかやらずにひたすら単位を取るために、
留年しないために勉強していたんで
部活とかサークルとか一切入ってなかった。勉強だけで精一杯だった。
ここでは柔道も極めて、勉強も手抜きしない男が描かれていた、それも驚異。
部活に入って仲間と汗を流せばよかった
苦しいけど絆が生まれて人間的にもおおきい存在になっていたかもしれない。
彼らは最下位を脱せなかった
こういう物語なら下剋上があって優勝
みたいな展開がセオリーかもしれないけど、彼らは勝てなかった。
あんなに練習しても勝てなかった。
体格とか才能とか先天的なものがあるのかもしれない。
どんなに練習しても176センチ80キロが185センチ150キロには勝てん。
でもそれでもやるんだ、悲壮な表情を滲ませて試合に臨まなくてはならない。
分け役として戦うときは負けないこと
引き分けになることが肝心なんだがこれが読み始めは信じられなかった。
あくまでチームが勝つことを優先してそういう戦略を立てるのだ
戦争で玉砕覚悟の人間を産んだ精神状況なのかもしれない。
だからこそGHQは高専ルールの柔道を禁じたのかもしれない。
国のために戦うっていうのは好きじゃないが仲間のために戦うっていうのは好きだ。
でも自分から進んで分け役になるっていうのは覚悟がいることなんじゃないかな。
誰だってヒーローになりたいじゃんか、主人公になりたいじゃんか。
でもそうではなくてあくまでチームが勝つための駒となって戦うんだ。
引き分けるために戦う。そういうのが崇高だなって。
最下位を争う試合なんて誰も見ないよね
でもそういうとこにもドラマがあって
苦しい練習をしてきた両校がいて
常人じゃ考えられないような過酷な状況の中戦いをしていたのだ。
これだけ苦しい練習をしてきたら大抵のことは屁でもなくなるはずだ。
大勢の先輩たちから慕われて、辞めんなよと言われて、頑張り続けるその姿に、自分もそういうふうになりたいと思った。
何かひたすらに打ち込めるものが欲しいと思った。自分は腑抜けだ、適当に生きてきた。ここまでひたすらに、留年してまで柔道に打ち込もうとする主人公たちのこの思いの源はなんなのか、また初めから本を読み返そうと思った。
2も最近出ましたので、買います。
北大最高です。大会あったら見に行こうかしら。