やりたいことをやるだけさ

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世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 八木仁平 を読む

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を読みましたので感想を書きます。

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質問に答えられないから苦労する

 

この本は青臭い質問にも真面目に答えられる

(良くも悪くも)若者向けの自己理解の本だと思う。

 

例えば、巻末にある価値観を見つける30の質問がある

 

死んだ後に周りの人からどんな人だったといわれたいですか?
とかね。

 

こういう、いかにも自己啓発な質問。

 

普段の生活では聞かれないようないい質問です。
そういう質問から目的は見つかるもんですから

 

とてもいい質問だとは思いますよ。

 

でもね

 

急に出会い頭にそんな質問されたって答えようがないんですよ。

そういう質問に答えられないから苦労してるんです。

 

自己啓発セミナーの終わりの方に、しんみりしたミュージックをかけて


「さあ、みなさん、ようやくここまで来ました、ここで、みなさん、周りの仲間たちを見てください。そして目を閉じて、ゆっくり考えてみて下さい。あなたが死んだときに・・・」なんていう語りから始まる感じですよ、そんなシチュエーションじゃないとこの質問は機能しません、私は実験済みです。

 

この本の欠点はきっと主に10代20代に向けて書かれているところだと思う。

そして、この本を読み終えたときに

自己理解を「できた風に」感じさせるという

割と簡単なところを攻めてる感じがするということです。

 

自分自身がもう年だということもあるけれど

どの年代でも自己理解を可能にしていくプログラムこそが

私の求めているところなのですが

この自己理解プログラムはそうではないのかもしれない。

 

意欲のある人向け

 

それでもこの本が年代を問いませんというのであれば

その人は「自己理解したい」っていう気持ちがある人なんだよね

当たり前の話なんだけど。

 

意欲のない人間から引き出すことは不可能なんです。

 

自分を理解したい、そういう気持ちがある人が使って

初めて機能するプログラムなんだと思う。

 

いや、どんなにいいプログラムだって

他人から「これやりなさい」っていわれて押し付けられて

いやいややる人には効果がないよね。

 

私が相手にしているのは重度のうつや生活保護やニートなど

そもそも意欲のない人達です。


そもそも生きる気力のないような人の意欲を引き上げるプログラムなんかあったらノーベル賞ものだろう。

 

生きる気力のないひと、とりあえずお金もらえるから何もしなくてもいいやって人

そういう人に自己理解の質問をぶつけてもウザいって言われるだけ。

煙たがられるだけです。

 

でも、真に自己理解プログラムの対象にすべきなのはそういう人達なんだと思う。

 

あの人をなんとか変えてあげたいんです。

どうしたらいいんでしょうか?って悩んでいる人は

「あの人」を変えるんじゃなくて

そう悩んでいるあなたが変わる必要があるんです。

 

「得意なことは?」ですら答えられない

著者は自分自身を下図のように整理しています

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でも大体の人はこんな感じになります

20~40代のニート

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意欲のない中高年

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こどもとかに質問するなら夢があっていいかもしれない、いや実に効果的だと思う。自分も子供にそういうしつもんをして可能性を伸ばしてあげたいと思う。

 

いっぽうで底辺層

そんなことにも答えられないの?て思うかもしれないけど

 

たいていの底辺層は、こんな質問でも

 

いやあ、なんもないわあ・・・って答えるんです。

 

周りから感謝されることは?とか聞いても

いや周りの人間なんて自分の話なんか聞かないんだ

感謝どころかいっつも怒鳴られて、あれやれこれやれっていってばっかりだ。

とか愚痴をいいます。


実際聞いてみた結果、だいたいそんなトーンで答えるんです。

 

ですから、好きなこと、得意なこと、大事にしてること

 

なんていう青臭い質問は中高年齢者には答えられないんです。

 

それでも、「じぶんはこれからどうしようか・・・」みたいに悩む

半分ニートの中年と会ったらついうっかりそんな質問してしまうんですが

 

当然何にも答えられません。

 

ですからこの自己理解プログラムを「理解したい」と思ってもらう意欲を持ってもらうにはどうすべきかということを考えていかないといけないと思うのです。

 

堂々巡りでしょうけどね。

 

私の自己理解

でも、かくいう私もそのような意欲のない輩を相手にはしたくないのです。

 

意欲のないものを意欲のあるように改造することなどできないし、したくないのです。

 

自分でもがき、なんとか見つけ出そうとしている人の手助けをしたいだけなのです。

 

自分がそうだから。

 

著者の思想と方法には共感しますが、実際の効果を上げるためにはもう少し、意欲のない人にも簡単に答えられるような質問とかを世代別にブラッシュアップした方がいいのかもしれない。

 

著者は、価値観があればモチベのあげ方なんて気にしなくてもいいと書いてますが、

 

『「モチベを上げる必要もなくなるくらいの価値観を見つけたい」と思ってもらうその人のモチベをあげるにはどうしたらいいのか』

 

というところの解決策を考えていかないといけないと思う反面、そんな意欲のない人にそんなことしてやる義理もない、とも思うわけです。

 

すべての子供に自分の可能性を引き出してもらいたい。

これが私の自己理解かな。