エンパシーライティングをはじめとするライティング技術を上げる本がたくさん出ています。
稼ぐために書くという目的があってそのためのスキルという割り切りがあってそればそれで結構なことかと思います。
セールスライティングですね。
ブログで稼ぐならそのような技術を速やかに身につけて稼ぐ方向に進んだ方が潔いです。
ブログやアフィリエイトで稼ぎたい方はこれらの本を熟読して実践しながら身につけるべき。
あーだこーだいわず、真似してどんどん稼ぐのがいいです。
わたしもそのようなライティングのスキルブックを買い込んでは実践しようとしていたのですが、なかなかうまくいかない。
うまくいかないのはわたしの場合、文の構成を考えてふせんで順番変えてみるとか、prep法で書くとかよりもむしろ
一つ一つの文の表現をもっと豊かにしたい。
という思いがあるので構成まで考えが及ばないのですね。
わたしは物を売ることに目的はなかったのです。
webライティングの本は、表現力は無用!とでも言いたげで、読み手の目につくキャッチコピー100選みたいなのを提供したりしてるけど、そういう表現もあっていいと思うけど、わたしが追求したいのはそういうことではないのだ。
シンプルな言葉しか使っていないんだけど、読み手に深い感傷に浸らせるだけのクオリティのある言葉を選ぶこと。
そういうことをやりたいのだ。
例えば小津夜景さんの文章にこんな言葉がある
すがすがしい朝の光は、存在の悲しみを、つかのま忘れさせてくれる。
いつかたこぶねになる日 P58 4行目
これだけでも作者は朝の光が本当に好きなことが読み取れます。
「わたしは本当に朝の光が好きなのだ」という言葉ではなく
とてもシンプルに言葉を使って本当に好きな気持ちを表している。
また、朝の光は、言葉の秩序においては夜の闇との対立に押しやられながらも、この世界の秩序においては決して離れ離れにならないと誓った恋人たちのように、闇と固く抱き合い、消え去り、胸に残る。
いつかたこぶねになる日 P 58 5行目から8行目
これも、わかりやすい表現のようであり、かつ、とても深く心に刻まれる。
朝の光についてこれほどまでに濃密に表現できる才能がうらやましい。
そんな感じで、語彙力的、単語のレベル的には高校生、中学生でも読める言葉しか使っていないが、その言葉の選び方、使い方でこんなに豊かな表現ができるのだということを自分自身が表現を通してやってみたいのです。
そんな思いを小津夜景さんの文章を読んで
これでもかと打ちのめされるのです。