いつも通りの何気ない風景でも
さよならのときにはなぜか写真を撮りたくなる
エモい写真でもないし
誰かにいいね!を押してもらうための
ものでもない
でも、今この時を感じていたいと言う気持ちがシャッターを押させる
この道をよく二人で通ったねと
子どもに話したくなる気持ちで
写真を撮りたくなる
一つ一つに思い出が宿っていた
仕事で嫌な人間にばかり会っていたので
その嫌な記憶とこの土地が紐ついてしまうと
あの街では碌なことがなかったと
転勤を繰り返すたびに思うことになる
大体その土地土地でロクでもない人間と会うことが仕事だから行くところ行くところが
6でもない土地になっていく
仕事から離れればその土地はとても良いところだったんじゃないかって思ったりもする
子供と一緒に歩いた道があれば
その楽しい記憶が蘇る
悪くはなかった
自分の記憶ではつまらないことだらけだったが
子供の記憶の中ではこの土地は
いいところであってほしいとねがう
そういう一瞬一瞬のいいことの記憶を
無くしたくないという切なる思いが
シャッターを押させる
いつまでも無くしたくないという思いは
でもかなわない
わかってはいるけれど、いい記憶を残したい
そんな思いで、最後に家の周りをポテポテと
歩いておりました
暖かい春の日
もう4月か
はやいもんだ