優秀賞
先日、八木仁平氏の著書
「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方」の書評をしました。
本人のサイトで我田引水な書評キャンペーンというものをやっていたので
自分の記事を応募させてみたところ優秀賞というものになったみたいで
副賞はオンラインでの1時間グループコンサルだそうです。
20人も優秀賞がいたら一人3分くらいしか時間はない。
そんなものに付き合う暇はないので別にコンサルなんて受けませんが。
自己理解再考
まあしかし、自己理解の方法:好きなこと×得意なこと×大事にしたいこと
は、やさしいようで根本的なことなので
本当に突き詰めて考えたら難しいものだと思います。
この本の巻末に質問リストがあるので、
そのリストをうまく使って自己理解を進めれたらと思いますが、
自己理解できたとしてその先、どう行動していくか、ここが本当に難しところ。
たとえば、この本の172ページで著者本人のやりたいことを12個出している。
ファッションデザイナーとか、教育系のボードゲームを作る人、とか。
そこから「仕事の目的」というフィルターを通したものが「仕事として本当にやりたいこと」となる、そうでないものは「趣味としてやりたいこと」となる。
著者の「仕事として本当にやりたいこと」は「自己理解を体系立てて伝える」ことらしいです。
仮にそこまで頑張ってステップをこなして「仕事として取り組む本当にやりたいこと」が見えたとして、いざ現実の求人誌などを見たときにみんなはこう思うでしょう
「そんなしごとあるわけないやん」
理想と現実は違う
ストレングスファインダーでも適性検査系でもそうです。
あなたの強みがわかったところでそれを生かす仕事はないかな、とあたりを見回しても
それを直接生かせる仕事なんて普通は見つかりません。
「自己理解を体系だててつたえる」仕事をしている会社なんてないのです。
だから私が書いた書評でも「若者向け」ということを言いました。
意欲のある若者なら自己理解を経ると無限の可能性がでてくる。
自分で仕事の領域を創っていける。
中高年齢者や
意欲のないものや
思考力がなくただただ漫然と生活保護や失業保険をもらいながら
今ある求人誌をみて探しているような者には自己理解は苦痛でしかない。
いや、その苦痛は別に自業自得だからいいとは思います、
何も考えてこなかった者は過去の自分の愚かさに苛まれればいいと思います。
今から考え始めれば死ぬまで未来は創り出せる
けれども私は自己理解のメソッドを否定するつもりはないのです。
この本に書いてあるのはすべて「魔法の質問」です。
こういう質問は昔から「コーチングクエスチョン」としてあったので
この本にかいてある質問が新しい発見・唯一無二というわけではないんです。
魔法の質問も自己理解なんです。
現実への補助線
質問に答えてから、それを現実に生かす方法
これがわからないんですよね。
ですから、このメソッドで自己理解できた市井の普通の人は
「せっかく理解できたけども、そんな自分を生かせる場所がない」と現状に不満を抱くのです。
自分を生かせる場所は自分が創ればいいだけなのにね。
普通の人が普通の人にとどまっているのは
「行動するかしないか」に尽きるんですよね。
いくら魔法の質問・自己理解メソッドで「わかった」としても
それが「つかえる」のは難しく「現実にやっている」ことはさらに難しい。
「わかった」ことを「できる」ようにサポートするのがコーチのしごと
であると思うわけです。
自己理解の応用
有料で職務経歴書を作ってあげるサービスを行っていますが
そこに自己理解を混ぜています。
職務経歴書なんてみんなかいたことないし、
悪い意味で日本人的な美徳があるので謙虚だから
自己アピールがクソへたくそなんです。
そこで、自己理解メソッドを混ぜる。
これまでの仕事内容を淡々と書いている文字をよみ、
好きなことや得意なことや価値観を質問して、考えさせる。
するとその人の違った側面が見えてくる。
平たんだった紋切り型の職務経歴書があざやかになってきます。
まあこれも、「この仕事をしたい」って決まっているひとに向けられたものなので
そもそもどんなことをしたいかっていう段階の人には通用しないんですよね。
やりたいことが決まっても「おしごとつくり」ができなく
現実に転がっている『おしごとさがし』しかできない人には
自己理解はとてもつらかろうと思います。
それでも、私は「やりたいこと」を「やる」人生を歩きたいです。
「行動」することが人生を変える